言語学への誘い2 ~音声法則を学んでみよう~
お懐かしゅうございます。ジェミニです。
今回と次回で触れるみんはや問は2つです。
- 音が連なる( ゚Д゚)ハァ?
- 濁る≠汚くなる
今回は、音が連なるあの問題に着目です。
「反応」や「因縁」などのように、熟語の1文字目が子音で終わり2文字目がア・ヤ・ワ行で始まる時に、2文字目の頭がタ・ナ・マ行に変わる現象のことを何というでしょう?
答え:連声
「反応」=「HAN」+【N】+「OU」 HA-N-NO-U
「因縁」=「IN」+【N】+「EN」 I-N-NE-N
上の例を見ると、前部要素の末尾にある子音(ここではN)の持続時間が長くなったことにより、後部要素の語頭の音声に接続して変化が生じたという仕組みがわかるかと思います。
ちなみに、子音の持続時間が長くなる現象を、言語学では「長子音化」と呼んでいます。
ところで、連声の問題のうち、下記の部分に着目してみたいのです。
「2文字目が【ア・ヤ・ワ行】で始まる時に」
これ、どうして、ア行、ヤ行、ワ行の3つなんでしょうか?
その答えについては、音の構成要素がポイントとなっています。
子音と接続して新たな音声を作り上げるとき、子音と結びつく母音が必要になります。その観点からいくと、ア行が含まれていることは納得できるのではないかと思います。
ではヤ行、ワ行は?ローマ字を学習した日本人からすると、【Y】や【W】は子音要素のように感じられると思います。
【Y】(実は日本のヤ行は発音記号表記では【j】になります)や【W】といった音声は、一般には「半母音」という定義づけをされています。
母音 …発音時に唇や歯茎などで阻害されない音
単独で音節をなす
子音 …発音時に閉鎖や摩擦などの阻害を生じる音
音節の主音とはならない
半母音…音の作りとしては母音に近いが、子音の性質を有する音
自身だけでは音節を作れない
半母音の性質を踏まえると、連声とは、「後部要素が母音の性質を持つ音で始まるとき、前部要素の後ろの子音が間延びして接続し、新たな音声が生じる現象」ということになるのです!
連声の習慣は、日本では室町時代ごろまで存在していた現象ということで、近現代の語で新たに連声が生じるということはなくなってしまっているようです…。
ですが言語音声の現象というのは、(専門家ではないので断言はできませんが)何か発音上の合理性があるから生じているはずなのです。
みんはやプレイヤーからすれば、
「反応」/
「はいはい連声ね、知ってるー。」
になるかもしれませんが、この1問からだけでも、様々な知識に思いを馳せられますよ。
暗記や早く押すことだけにとどまらず、みんはやの問題を知識を磨くメソッドとして活用するプレイヤーが、綺麗な早押しをしているのであれば、それは素敵なことですね。
長くなりすいませんでした。次回は言葉の汚くない濁りに触れたいと思います!